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Coldplay 美しき生命 VIVA LA VIDA の意味(その1) [音楽]

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iPodのCMで流れている曲をご存じでしょうか?
HMVやタワーレコードなどのCDショップは
もちろんのこと、大げさに言うと、今や、日本の
あらゆる放送局やお店などで流されているので、
聞いたことはあるという方は多いのではないかと思います。

私も、iPodのCMを見て印象的なこの曲に
興味を持ちました。
Coldplayというグループ自体は知っていましたが、
以前、HMVなどで試聴はしたもののCDを買うには
至らなかったという記憶があります。

しかし、今回は違いました。
このVIVA LA VIDAはまず、最初のテンポからして
特徴的で、全体的にも親しみやすく、また聞きやすく、
すーっと引き込まれていく魅力があるのと、
個人的にはCMを見ていた時に、
ruled the world、つまり、世界を支配してたという歌詞が
聞こえたので、何を歌っているのだろうという興味も
わいたからです。

皆さんは、このColdplayのVIVA LA VIDAの歌詞の意味
まで知っていますか?
今回、私なりにこの曲を解釈したいと思います。

まず、タイトルのVIVA LA VIDAなんですが、
これが東芝EMIの方で「美しき生命」と訳されています。
僕は、これ、少し意訳しすぎだと思うんですよね。

これは、スペイン語で「人生万歳」という意味
であって、「美しき生命」とやってしまうと、
ますますこの曲の意味がわからなくなってしまう
と思うんです。

あと、ついでに言うと、東芝EMIさんは、
「ロックアートの最高峰」みたいな宣伝文句使ってますが、
これもおかしいでしょう。そんな日本語ありましたっけ?
どうしてもCDのジャケットがドラクロアの絵画なもんだから、
Artを言いたいのでしょうが、かなり無理があると思います。

さて、本題に戻りましょう。
まずは、英語の歌詞、そして、CDに付いていた公式の
和訳の歌詞を数行ごとに対比してみます。

I used to rule the world
Seas would rise when I gave the word
Now in the morning I sleep alone
Sweep the streets I used to own

かつては世界を支配していた
僕が口を開けば海の水位が上がった
今では朝、独りで眠る僕
昔は自分のものだった道を掃いてまわる

I used to roll the dice
Feel the fear in my enemy's eyes
Listen as the crowd would sing
Now the old king is dead Long live the king

かつては僕がダイスを転がした
敵の目には恐怖が映っていた
群衆が歌うのをこの耳で聴いた
でも老いた王は死んだ、王に栄光あれ

One minute I held the key
Next the walls were closed on me
And I discovered that my castles stand
Upon pillars of salt and pillars of sand

一時は鍵を握っていた僕なのに
気づいたら壁が迫ってきていた
そして気づいた、自分の城を支えているのは
塩の柱と、砂の柱だったことに

I hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
Missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
Once you go there was never,
Never an honest word
And that was when I ruled the world

エルサレムの鐘が鳴るのを聴け
ローマ人の騎兵隊が合唱している
僕の鏡に、剣に、盾に
外地の宣教師になるがいい
どういうわけか説明がつかないんだ
きみがいなくなってからは何ひとつ
何ひとつ正直な言葉が出てこない
それが世界を支配していた頃の自分だった

It was the wicked and wild wind
Blew down the doors to let me in
Shattered windows and the sound of drums
People couldn't believe what I'd become
Revolutionaries wait
For my head on a silver plate
Just a puppet on a lonely string
Oh who would ever want to be king?

邪悪で激しい風が
扉を吹き倒して僕を入れてくれた
窓は粉々に割れて太鼓の音がする
みんな今のこの僕に目を疑う
革命分子はみな待ちわびているよ
銀の皿に載った僕の頭を
孤独な紐に吊されたただの操り人形さ
誰が王になどなりたがる?

I hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
My missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
I know St. Peter won't call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world

エルサレムの鐘が鳴るのを聴け
ローマ人の騎兵隊が合唱している
僕の鏡に、剣に、盾に
外地の宣教師になるがいい
どういうわけか説明がつかないんだ
きみがいなくなってからは何ひとつ
何ひとつ正直な言葉が出てこない
それが世界を支配していた頃の自分だった

Hear Jerusalem bells a-ringing
Roman cavalry choirs are singing
Be my mirror my sword and shield
My missionaries in a foreign field
For some reason I can't explain
I know St. Peter won't call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world

エルサレムの鐘が鳴るのを聴け
ローマ人の騎兵隊が合唱している
僕の鏡に、剣に、盾に
外地の宣教師になるがいい
どういうわけか説明がつかないんだ
きみがいなくなってからは何ひとつ
何ひとつ正直な言葉が出てこない
それが世界を支配していた頃の自分だった


どうでしょうか?意味わかりましたでしょうか?
僕なんかわかるどころか、ますます謎が
深まるばかりなんですけど・・・・・・

どちらにしても、これ日本語で歌ったら全然
ヒットしないでしょうね、というよりそもそも
日本だったら曲にして発売するのを誰もOK
しないと思います。

洋楽というのはそういう所、J-popとは全然
違いますよね。

さて、ここまでくると、この歌詞に出てくる
王とはいったい誰なのかということを追究したく
なります。
Coldplayは特にそのことについてコメントして
いないので、真相はわからないのですが、
単に架空の人物をテーマに曲にしたというより、
少なくともイメージした王はいたと考えるのが
自然だと思います。

次回は、その王について考えるとともに、
それに合わせて私なりの和訳を載せたいと
思います。

なお、ここでヒントというか次回への橋渡しを
してみましょう。

歌詞から様々なヒントを得ることができます。
まず、主人公の王はかつて世界を支配していた
ほどの人物だということです。
しかし、かつてということであり、今は一人で寝て、
道を掃くような凋落した人物ということです。

それと大きなキーワードはエルサレムです。
エルサレムはキリスト教、ユダヤ教、イスラム教
つまり三大宗教の聖地なんですよね。
ここら辺めっちゃ意味深です。

そして、ローマ人の騎兵隊というのも
キーワードですね。
ここのくだりは多少の文言の変更がありながらも
合計3回も歌われる箇所なのでいかに重要な
フレーズなのかわかります。

特に、I know St.Peter won't call my name
のところはさらに重要だと思われます。
St.Peterを聖ペテロと訳すと誤りです。
聖ペテロが生きた時代は古代ローマ帝国時代
であって、キリスト教は認められていないだけでなく、
迫害されていたのであって、そんな中でキリストの弟子
である聖ペテロもローマの大火の原因というような
濡れ衣を着せられ、ついには処刑されてしまいます。
ですから、その当時の王(正確にはこの時代は皇帝)が
ペテロに自分の名前を呼ばれる云々は全然どうでもいい
ことと考えられるので、あえて歌詞にする意味が見当たりません。

では、どう訳せばいいのでしょうか?
St.Peterとは英語読みではセント・ピーターとなりますが、
現在のバチカン、すなわちサン・ピエトロ寺院のことを意味します。
もちろん、聖ペテロが埋葬されたということからこの名が
付いているわけですが、ここではサン・ピエトロ寺院が
名前を呼ぶ、つまり、ローマ教皇が王の名前を呼ぶと
いうように解釈すべきです。

つまり、時代はもっと進んで、王とローマ教皇が対立
するような中世の頃だと思われるのです。
その当時、ローマ教皇の権力は絶大であり、しばしば
王を破門したりしています。
もちろん、王も仕返ししたりしていますが、さて、ここで
エルサレムがキーワードになります。

そう、十字軍の遠征の時代のことだと思うのです。
十字軍は、当時、イスラム教徒がエルサレムを占領
していたためにキリスト教徒として聖地を奪還するために
派遣されました。

おわかりでしょうか?その中でローマ教皇に背いたとして
破門された王がいたとしたら、その王からすれば、こう
言うでしょう。「ローマ教皇が俺の名を呼ばないのは
わかってるさ。」って。

私は、調べました。そういう王が実在したことを。

その名を神聖ローマ皇帝「フリードリヒ2世」といいます。
彼は、しばしばローマ教皇と対立しています。
というのは、当時のローマ教皇から十字軍で遠征するように
要請されてもなかなかすぐに動こうとせず、さらには
イスラム教徒や正教会に対する宗教的寛容を非難されて
背教者のレッテルを貼られ実に2回も破門されているのです。

事実、エルサレムに十字軍を率いて遠征したときも、
全く戦わずして、キリスト教徒のエルサレム巡礼が安全に
できるように和平協定(一時的にせよ)を実現させているのです。
また、彼は畏敬の念も含めて「世界の驚異」とか
「王座の最初の近代人」と評価されています。

また、彼はエルサレムに入城し、聖墳墓教会で
エルサレム国王として戴冠したりもしています。

この王の実に民族や宗教に寛容で平和主義者である
ところがColdplayの高評価になって曲になったのか
なと思うのですが、どうでしょうか?

しかしながら、ローマ教皇に背教者というレッテルを貼られて
破門されると、王としては民衆からも誤解を受けてしまい、
かなり苦しい人生を歩んだのではないでしょうか。

そんなところ辺りが何となくこの曲のイメージする王に
合っていると思うのですが・・・・・

※次回に続きます。
ただし、いろいろ調べていってもっと
ふさわしい王がみつかるかもしれませんが、あしからず。


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rochefort

なるほど。「サン・ピエトロ寺院」のくだり
凄く参考になりました。

続報期待しています。
by rochefort (2008-09-14 01:53) 

【ベスト披露宴】仲居 一平

初めまして。関西の結婚式場で音響(PA)担当をしています,仲居一平と言います。

先日,結婚式の新郎入場曲で,このBGMを使いました。
歌詞がわからず,探した結果こちらのサイトに行き着きました。

大変参考になりました。

有り難うございます。

by 【ベスト披露宴】仲居 一平 (2009-04-24 13:48) 

きくちびよ

はじめまして。。。
初めてこちらに伺いました。
今になってですが…!
とっても参考になり感心感動しました。
またこれからも楽しみにしています。
by きくちびよ (2012-01-06 17:54) 

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